「昨夜 ひとり螢狩りです_その三」

 二日置いての、今季三度目の「螢鑑賞の夕べ」に盛会を期したが、茂みのなかの定点で、一匹の螢が時折明滅を繰り返すばかりだった。恋の季節の終わりを感じた。
 が不意に、水面(みなも)の上 50cm ばかりのところを、一匹の螢が光跡を引きながらこちらにやってきた。みごとな飛行だった。間際を過ぎた後、行方を見失った。これを今季のフィナーレとした。
 恋の旅路ののぞき見は、螢にとってさぞ迷惑だったことだろう。