「放浪の天才画家 山下清展_豊橋市制施行110周年記念」


 昨日 市役所に行く用があり、その際には隣接する公園の美術館で、「放浪の天才画家 山下清展」が開催されているのを知り、観てきました。

 山下清画伯の貼り絵には、確かさと明らかさを感じました。絵に目を近づけて見えるもの、遠ざけて見えてくるもの、と老眼鏡をはずしたり、はめたりと大忙しでした。保存状態がよく、色褪せておらず不思議な気がしました。何か秘訣でもあるのでしょうか。

 あいにくにもその際には、小学生ご一行様と、その子どもたちに声をはりあげて解説をされている、学芸員さんの熱意とに鉢合せをし、抜きつ抜かれつ、すっかり落ち着きをなくした会場には、やりきれなさばかりがつのりました。三十人ほどの小学生ご一行様の、隊列の後尾に位置する子どもたちには、学芸員さんの声は聞こえども、絵は見えず、どうしたものかと気の毒になりました。さんざんな思いをし、足早に会場を後にしました。
 
 子どもたちの感性は、ありきたりの説明をはるかにしのぐものだと心得ています。何もしないことに限ります。余計なおせっかいは子どもたちの目をくもらせます。気が抜けてしまいます。

 河合隼雄先生のお言葉がしのばれます。
「余計なことをしない、が心はかかわる」
「何もしないことが、力を生む」
「何もしないことに全力を傾注する」