「玄侑宗久『現代語訳 般若心経』ちくま新書_新春に『四国遍路』を渉猟する_2/2」

今日の午前中、
◆ 玄侑宗久『現代語訳 般若心経』ちくま新書
を読み終えた。三度(みたび)目の読書だった。

「本書はあくまでも解説ではなく、『般若心経』の訳のつもりである」(214頁)
「今回も原稿段階で臨済宗妙心寺派教学研究委員の皆さんに厳正な校閲を頂戴した」(219頁)そして、その後には八名の方の芳名が連なっている。
 宗久さんの真摯な執筆態度は、明らかに自覚されるが、雲、「空(くう)」をつかむような話が散見され、行きつ戻りつしたものの、ついには覚束ないままに通読した。
「わからなくていいんです。意味は気にしないよう、何度も申し上げたでしょう」(174頁)

「それでは最後に、以上の意味を忘れて『般若心経』を音読してください」(194頁)
「自分の声の響きになりきれば、自然に『私』は消えてくれるはずです」(198頁)
声の響きと一体になっているのは、『私』というより『からだ』、いや、『いのち』、と云ってもいいでしょう。むろんそれは宇宙という全体と繋がっています」(199頁)
後になり、先になり、意味が執拗に追いかけてくる。いまそれを云々しようとは思わない。よく「持(たも)」つことだけを心がけている。

追伸:今日の夕方、山本空外先生関連の図書、
◆ 山本空外著,龍飛水編集『いのちの讃歌』無二会
◆ 龍飛水『二十世紀の法然房源空 山本空外上人聖跡素描』無二会
◆『墨美 山本空外 ー 書と書道観 1971年9月号 No.214』墨美社
◆『墨美 山本空外 ー 書と書道観(二)1973年6月号 No.231』墨美社
◆『墨美 山本空外 ー 書論・各観 1979年7月号 No.292』墨美社
◆ 森田子竜『書:生き方の形』日本放送出版協会
全6冊がそろいました。
◆ 森田子竜『書:生き方の形』日本放送出版協会
は、はじめて「日本の古本屋」で購入しました。またはじめて、ハードカバーの日本放送出版協会」の書籍を手にしました。初めてづくしの「本書」から読むことにします。勝手知ったる「浮気」しながらの読書です。