折口信夫「大和乙女の恋をせよ」

「大和乙女の恋」
岡潔『一葉舟』角川ソフィア文庫
 特に絶対にラテン文化に見倣(みなら)ってもらっては困るものがある。それが大和乙女の恋である。
   畝傍山(うねびやま)樫(かし)の尾の上にいる鳥の 鳴き澄むきけば遠つ世なるらし
 の作者折口信夫(おりぐちしのぶ)は、終戦後間もなく死んだが、今日あるを予見して、「大和乙女よ、大和乙女の恋をせよ」といい残した。(330頁)