鍵本聰「数学な苦手な生徒は姿勢が悪い」
7人の特別講義プロジェクト『ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書~なぜ学び、なにを学ぶのか~』講談社 (49頁、60-62頁) 鍵本聰「数学力とは『真実を見抜く力』だ!」 数学は社会に出てこそ役に立つ 「数学な苦手な生徒は姿勢が悪い」 これは意外な話かもしれないけど、数学が苦手な生徒って、姿勢が悪いんですよ。 体を傾けたり、のけぞったりして授業を聞いて、テストに臨んでいる。 たとえば難しい問題を前にしたとき、「わかんねえよ」って体を傾けたり、のけぞったりするんですね。こんな姿勢では、数学にとって大切な「集中力」が生まれません。だから、なおさらわからなくなってしまうんです。 一方、できる生徒は難しい問題が出てなかなかわからなくても、とりあえず前傾姿勢で机に向かっているんです。それで問題を鉛筆でなぞりながら何度も読んだり、問題文を自分で書き直してみたりとか、前向きな努力を続けている。そうしているうちに、ふと「なるほど!」というきっかけが見えるようになるんです。 そして数学が苦手な生徒は、とにかく消しゴムを使う回数が多いですね。 せっかく書いたものを、平気で全部消してしまう。もしかすると、その中に答えやヒントがあるのかもしれないのに、なぜか全部消してしまうんです。 そんなの時間ももったいないし、消しゴムをごしごしやっていると、焦るだけなんですよ。消しゴムを使うのは必要最低限に抑えるようにしましょう。 それから「左手を使わない」という特徴もありますね。 生徒たちを見ていると、左手をお尻や太ももの下に入れて問題を解いてる生徒は、けっこう計算ミスが多い。このあたりはしっかりした統計データがあるわけじゃないけど、きっと両手を使うほうが脳が刺激されるんでしょうね。 だから、初めて授業をする生徒たちでも、それぞれの姿勢を見れば「おまえ、計算間違いが多いやろ?」って言い当てることができますよ。 だから僕の塾では、まず姿勢です。 姿勢を正しくすることから勉強は始まる。そして、実際それだけで成績が伸びていく。数学に関していえば、もう間違いなく伸びます。これはいますぐ、誰にでもできる成績アップ術ですよ。足を組むのもダメ。基本原則は「体を左右対称にすること」です。 みなさんもぜひ、明日から意識してみてください。