TWEET「早春の湿原をゆく_一株のショウジョウバカマ」

 16時過ぎに葦毛(いもう)湿原の駐車場に到着した。
 目を凝らし湿原を一巡し、その後 脇道に分入った。行きづまりで、一株のショウジョウバカマを目にした。のびやかな立ち姿だった。

「2022/03/15_一株のショウジョウバカマ」

 この辺りは、木道という足枷(あしかせ)から解放された、「花見の名所」であり、対象にいくらでも近づくことができる。心ない人たちによって荒らされないことを祈るばかりである。

 デイパックを背負っていった。ミネラルウォーターとヘッドライトの他、数点の登山用品を詰めこんだ。急ごしらえの荷造りだった。肩にかかる荷重はないに等しかった。内容より外見(そとみ)、久しぶりにデイパックを背負ったことがうれしかった。
 計画していた、急登から登山道の分岐までの登攀を試みた。登れるところまで登り、あとはひき返せばいい、と思っていた。しかし、息切れすることもなく、小休止することもなく、登りきった。加齢により疲れを感じない体になってしまったのだろうか。感じるのは訝(いぶか)しさばかりだった。その後、林間につけられた小さな登山道を伝って下山した。
 駐車場脇の、長尾池のほとりに立つ、白木蓮のつぼみがほころびかけていた。秘められた力を感じた。明日には咲きはじめるだろう。
 西の空が朱に染まっていた。一時間半あまりの散策だった。