TWEET「早春の湿原をゆく_ショウジョウバカマ」

 今日も花曇りの天気だった。生温かさに纏(まと)わりつかれ、ふやけ、すっかり気勢をそがれた。
 15時過ぎに葦毛(いもう)湿原の駐車場に到着した。一年あまりぶりの湿原だった。このような日には散策が適当か、と思った。
「クラッグステッパー」を履いていった。足が優しくホールドされ心地よかった。「mont-bell 豊橋店」さんの店長さんに、「四国遍路」用に適当なシューズを、とお願いし、購入したトレッキングシューズだった。「へんろ道」ははるかに霞み、靴だけがひとり歩きをしている。
 道の感触を感じながら歩いた。湿原のとっつきまでの ごろた石の転がった道、木道、やはり腐葉土からなる道は、歩行がやんわりと受けとめられ、ふくよかだった。
 ハルリンドウが目当てだったが、時期尚早だった。
 ショウジョウバカマが咲いていた。

「2022/03/14_ショウジョウバカマ」

 いのちに照らされた色どりは格別である。湿原に咲く可憐な花がいい。清楚な花がいい。
 一時間ほどの散策だった。歩くことを続ければ、しだいに足が伸びるだろう。今日は空手だったが、次回はデイパックを背負って行こうと思っている。不要不急の装備だが、パッキングする楽しみがある。

岡潔『春宵十話』角川文庫
「よく人から数学をやって何になるのかと聞かれるが、私は春の野に咲くスミレはただスミレらしく咲いているだけでいいと思っている。咲くことがどんなによいことであろうとなかろうと、それはスミレのあずかり知らないことだ。咲いているのといないのとではおのずから違うというだけのことである。私についていえば、ただ数学を学ぶ喜びを食べて生きているというだけである。そしてその喜びは『発見の喜び』にほかならない。」(29頁)

スミレはスミレである。
いま、心地よい疲れを感じている。