「春分の日の今日、漱石山房原稿用箋を携えて」

 入試の最中のこととて、啓蟄(2019/03/09)を知らず、知らぬままに、昨日春の湿原へ向かいました。
 WEXLEY「URBAN BACKPACK_DARK GRAY」を背負って行きました。「URBAN BACKPACK」にとっては、野外活動、事始めでした。「漱石山房原稿用箋」をしのばせていきました。この頃ではどこへ行くにも漱石先生といっしょです。

掲示には、
 「木道わきにもショウジョウバカマの花が見られるようになってきました。
 湿原内にはアズマヒキガエルの卵が産み落とされています。これがオタマジャクシになる頃になるとヘビが出てきて、ヘビが出てくる頃になると捕食者として鷹のサシバが帰ってきます。(後略)」
と、記されていました。早春の、巧みに配された食物網の趣をみる思いがしました。
 そして、掲示は、
「金子みすゞの声が聞こえてきそうな気がします。
『見えないけれども あるんだよ』」
の一文で結ばれており、あまりにも唐突な出会いに、思わず漱石先生と目を見合わせました。

「Apple」のアプリ「ヘルスケア」を開くと、歩数 1000 歩前後、歩行距離 500m 程度の日が目立ち、さすがにあわてました。この散策を手がかりに、春の湿原の移ろいを堪能したいと思っています。
 いま雨が降っています。穏やかな雨です。やわらかに降っています。

以下、
「漱石山房原稿用箋を前にして」
です。