TWEET「利休の『醒めるために見た夢』」

 二日(ふたひ)、今日もひとり、蕭蕭とした秋風に吹かれている。
 梅雨空も、喧騒の夏もやり過ごし、沈思の秋のなかにある。
 秋がいい。
 白い道の向こうには利休の後ろ姿が見え隠れしている。命を賭してまで護らなければならないものがあった。死によってのみ完結するものがあった。命とは如何ばかりのものでもなかった。利休の「醒めるために見た夢」の帰結だった

◇ 井上靖『本覚坊遺文』講談社文芸文庫
◇「醒めるために見た夢」
   白洲正子『ほんもの - 白洲次郎のことども - 』新潮文庫
「昭和と私」(247-252頁)