「立夏の日に思う」


今日は「立夏」です。夏の到来です。冬は「きっぱりと」やってきますが、夏は敢然としてやってきます。梅雨空の分厚い雲の向こうで、着々と力をたくわえた太陽は、梅雨明けとともに毅然とした気構えで姿を現わし、陽光を容赦なく四辺に照りつけます。灼熱の夏です。狂想曲のはじまりです。

五月一日は「八十八夜」でした。
夏も近づく八十八夜 
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みじゃないか
あかねだすきに菅の笠

「茶摘み」のシーズンです。叔父・叔母から届く新茶が待たれます。


若葉して御目の雫ぬぐはばや
芭蕉が唐招提寺を訪れ、鑑真和上坐像を拝したのは、ちょうど今頃の季節だったのでしょうか。

近頃、奈良国立博物館『国宝 鑑真和上展 唐招提寺金堂平成大修理記念 公式図録』をよく見ます。平成九年三月に唐招提寺を訪れた季節、また平成十四年二月に名古屋市博物館で開かれた 「唐招堤寺金堂平成大修理記念『国宝 鑑真和上展』」 で鑑真和上坐像を拝した季節のことが思い出されます。