TWEET「お仏壇のお引越し」

 2024/08/24,「田辺佛具店」さんに、仏壇を移動していただいた。
 いたって丁寧な仕事ぶりだった。専門家にお願いして正解だった。
 仏間の背面には、包装紙にくるまれた、3枚の板状のものが立てかけられていた。包装紙を解くと、旧い仏壇の、観音開きの一対の扉と、一対の引き戸が出てきた。祖父と父が作ったものである。30年あまりにわたって慣れ親しんできた仏壇の名残だった。


 祖父と父の心中を察すると忍びないが、始末屋の役割を振られた私としては、始末するほかない。
 しかし、いくら「即断即決」といい、「メメント・モリ」といいつつも、お仏壇だけに、遺品として大切に仕舞っておこうかと思いはじめた。仕舞うのではなく、祖父の手製の文机を、いま「般若心経」を唱える際の経机として用いているが、その前に据えるのが適当か、と思いつつある。
 断章が続きます。