「メメント・モリ」

 2024/01/18、市に委託した「耐震診断調査」の報告書を、設計士のSさんが自宅まで届けてくださった。詳細で大分な書類群だった。
 震度6弱の地震に対する耐力を「1〜1.5」とすると、拙宅の耐力は「0.21」だった。「倒壊する可能性が高い」とのコメントが付されていた。躊躇うことなく、その場で解体することに決めた。
 地震での死因のおよそ半数は圧死である。私が圧死するのはかまわないが、他人(ひと)に危害がおよぶと取り返しがつかない。
 家屋の解体工事に際しては、家内を空にする必要がある。相続税・申告が終わるのを俟って、汗みずく、埃まみれの毎日が始まった。
 以来、「読み書き」はなく、ブログも更新していない。
 捨てるのは難しい。「即断即決」。迷いは禁物である。間もなく、「即断即決」とは「捨てる」ことと同義語
であることを知った。
「メメント・モリ」(「死を忘れるな」という意のラテン語)。生あるものは死す。死はすべての人・もの・こととのお別れの時節である。
 私はこの解体を、「我が死に支度の嚆矢」と捉えている。

追伸:
「即断即決」,「メメント・モリ」の二語は、P教授から授かった。感謝している。