TWEET「Kindle Direct Publishing_『本多勇夫 / なおなお 折々の記_10』: 〜岡潔編〜」

つい今し方、
「本多勇夫 / なおなお 折々の記_10」: 〜岡潔編〜」
を、「Kindle Direct Publishing」にアップしました。
上梓されました。早速購入しました。

 まずはじめに、岡潔,小林秀雄『人間の建設』は、紙数の都合上、本編に分類した。
 「数学は語学に似たものだと思っている人がある」。「語学と一致している面だけなら数学など必要ではない。それから先が問題なのだ。人間性の本質に根ざしておればこそ、六千年も滅びないできたのだと知ってほしい」。
 「数学史を見ても、生きてバトンを渡すことはまずない。数学は時代を隔てて学ぶものだと思う」。後進による問題の解決を、飽くことなく待つ「数学という学問体系」の楽観には感心する。
「よく人から数学をやって何になるのかと聞かれるが、」「私についていえば、ただ数学を学ぶ喜びを食べて生きているというだけである。そしてその喜びは『発見の喜び』にほかならない」。
 岡潔の話は、私の抱いていた数学観とはずいぶん異なるものだった。また、たいへんな思索家でもあり、それが「情操」「情緒」の境地を深めることになった。
 対談では、「初対面の二人が、延々十一時間しやべり続けて、一度も中座しなかつた」という。息の合った天才たちの対話は稀有な出来事であり、傾聴に値する。直接当書に当たってほしいと思う。本編がそのきっかけとなれば幸いである。