遠藤甲太「松濤明の遺書」

遠藤甲太「松濤明の遺書」
松濤明『新編・風雪のビヴァーク』ヤマケイ文庫
(前略)一九四九年一月四日から六日にかけての「手記」。われわれはこの種の文章を、ひとつの文学作品として読むほかないのだけれど、私の知るかぎり松濤の遺書は、自衛隊員・マラソンランナー円谷幸吉の遺書と並んで、最も衝撃的な文学上の奇蹟である。円谷書が自死する哀しみの至純さにおいて言語を絶しているとすれば、松濤書はその対極。あくまで死と闘い、ついに倒れんとする瞬間の圧倒的な臨場感(リアリティ)において、やはり言語を絶している。(後略)(337-338頁)

以下、
松濤明,有元克己「風雪のビヴァーク」
です。