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7月, 2024の投稿を表示しています

TWEET「庇を貸して」

   宅地内に、NTTの電柱と丁内の街灯のポールが立っている。いずれも好意でお貸ししたものである。自宅の解体工事の妨げになるため、撤去をお願いしているが、おいそれとは話が進まない。NTTの電柱に関しては、!0〜20万円の撤去料が発生するとの理不尽さで、恩を仇で返されたような感を抱いている。また、NTTは、解約後も電話線を残したままにしておくというから、見上げたものである。  善意から敷地内に電線や電話線を通すことも止めた方がいい。  庇を貸して母屋を取られることにもなりかねない。  断片が続きます。  

TWEET「 “タニヤマ”さん」

私が電話口で、 「そのことは谷山さんにおうかがいいたしました」 というと、少し間があって、 「あっ、 “タニヤマ”さんね」 というお答が返ってきた。  谷山さんが平板化し “タニヤマ”さんになった。  ついに名前まで平板化する時代になった。平板化すれば名前が変わってしまう。由々しき問題である。  ご自身の名前を平板化し、口に出して言ってみてほしい。違和感をおぼえるのは当然だろう。しかし、絶えず耳にするうちに、我知らず口にするようにもなり 、ついには改名することになる。言葉は恐ろしい。  昨夕、全日本ピアノ運送さんからお電話をいただいた。ピアノは、見事に “ピアノ”に平板化していた。 “ピアノ”と言われると、子どものおもちゃのピアノを思い浮かべてしまうのは私だけだろうか。  断章が続きます。

TWEET「外向する」

  内向しなければならない気の流れが、外に向かって発散している。これでは思考することは困難である。  これは一重に自宅の解体工事の準備に慌ただしい毎日を過ごしていることに起因している。解体の準備はいまの私の仕事、と割り切れば気も晴れるのだろうが、その内容に感情が色濃く反映されているから厄介である。  この気の重い、鬱鬱とした生活から解放され、せめて静謐の秋を迎えられることを願っている。  断片が続きます。

TWEET「健康」

  電線・電話線の、また街路灯、テレビアンテナ・アンテナ線の撤去の工事に立ち会った。 確かな仕事が、手際良く進められていく。 私の頭の内で は  “健康”という言葉が去来していた。  引きこもりがちで、不健全、非社会的な生活を送る私にとっては、刺激的だった。  明日から四日続けて工事の立ち合いがある。彼らの仕事ぶりを眺めつつ、 “健康”について思いを巡らせたいと思っている。   “健康”と “健康的”とは意味合いが違う。もちろん、私の関心は “健康”にある。  断章が続きます。

TWEET「始末屋」

 市に委託した「耐震診断調査」の結果、倒壊する可能性が高く、自宅を解体することに決めた。  昭和33年築の4世代の家族が暮らした家であり、25年間にわたって、中学生を対象とした個人塾の教室として利用した家屋でもある。思い出があり、思い入れがある。  解体工事前には、家内を空にする必要がある。いま盛んに物を運び出している。  私は始末屋であって、決して片づけ屋だとは思っていない。  惜別の念があり、名残がある。  不埒、不束、不始末は、法外と気をつけている。  2世代にわたって河合楽器の協力工場を営んでいた。自宅の ピアノは1968年製のアップライトである。自社製の部品も使われている。そのピアノを、タケモトピアノさんに5万円を支払って、引き取ってもらうことになった。2時間かけてきれいにした。2024/07/30 引き取りの予定である。  始末屋の作業には、常にやるせなさが付きまとっている。

「メメント・モリ」

 2024/01/18、市に委託した「耐震診断調査」の報告書を、設計士のSさんが自宅まで届けてくださった。詳細で大分な書類群だった。  震度6弱の地震に対する耐力を「1〜1.5」とすると、拙宅 の耐力は「0.21」だった。「倒壊する可能性が高い」とのコメントが付されていた。躊躇うことなく、その場で解体することに決めた。  地震での死因のおよそ半数は圧死である。私が圧死するのはかまわないが、他人(ひと)に危害がおよぶと取り返しがつかない。  家屋の解体工事に際しては、家内を空にする必要がある。相続税・申告が終わるのを俟って、汗みずく、埃まみれの毎日が始まった。  以来、「読み書き」はなく、ブログも更新していない。  捨てるのは難しい。「即断即決」。迷いは禁物である。間もなく、「即断即決」とは「捨てる」ことと同義語 であることを知った。 「メメント・モリ」(「 死を忘れるな」という意のラテン語)。 生あるものは死す。 死はすべての人・もの・こととのお別れの時節である。  私はこの解体を、「我が 死に支度の嚆矢」と捉えている。 追伸: 「即断即決」,「 メメント・モリ」 の二語は、P教授から授かった。感謝している。