「2020年秋 私の古社寺巡拝_覚書_3/3」

以来、神様のことがしきりに気になっています。

2020/11/16(月)
午後 出立。
伊勢湾フェリーで、伊良湖から鳥羽へ向かいました。洋上で潮風に吹かれたのは久しぶりのことでした。
伊勢市内の書店「BOOK SQUARE ララパーク店」さんで、
◇ 神宮司庁 編・著『図解 伊勢神宮』小学館
「奉祝 令和
神宮司庁広報室の神職たちが執筆・編集した初めての「神宮」読本」
に出会ったのは幸運でした。

2020/11/17(火)
「伊勢神宮 内宮」
「伊勢神宮 外宮」
ほとんどの時間を「せんぐう館」で過ごしました。

2020/11/18(水)
「室生寺」
「大野寺・弥勒磨崖仏」

2020/11/19(木)
「本居宣長記念館」
「本居宣長之奥墓(おくつき)

2020/11/20(金)
帰路 伊勢湾フェリーで、荒れ模様の湾内を鳥羽から伊良湖へ向かいました。神島の島影を認めると旅の終わりを感じました。
白波の寄せる恋路ヶ浜が見たくて、伊良湖ビューホテルに立ち寄り帰宅しました。


「室生寺にて」
白洲正子『私の古寺巡礼』講談社文芸文庫
電車で行くと、近鉄室生口で降り、そこから室生川を六キロばかりさかのぼる。駅の近くには、磨崖仏で有名な大野寺があり、清らかな河原をへだてて、切り立った断崖に、みごとな石仏が刻まれている。この寺には、大きなしだれ桜が二本あって、春はこまやかな花をみっしりつけ、紅(くれない)の垂簾の奥ふかく、ほのかに仏が在す気配は、たとえようもなく、優美である。
 春もいいが、秋も一段と風情がある。ある晩秋の夕暮、室生への帰りに立ちよったとき、落日の斜光の中に、全身がくっきりと浮かび上がり、冷たい石の肌に、山の紅葉が反映して、「弥陀来迎の図」を拝む思いがした。おそらくあのような光景は、一生に一度のものに違いない。それは険しい絶壁に向かって、仏を彫ろうと決意した人の、発願の場に立会うような心地であった。(110-111頁)