「令成元年 秋空の下_合格祈願」

 聖林寺と渡岸寺で、合格祈願の御守りを三つずつ買った。
「この御守りは私の祈りであり、愛の賜物です」
と言って受験生諸君に渡した。
 御仏にすがる思いをしているのは私だけで、受験諸君はいたって呑気である。思えば、私の願いさえかなえば、ということである。それにしても「合格祈願」とは、いかにも即物的である。