「聖林寺 『十一面観音立像』参拝,また三輪山」

土門拳「聖林寺 十一面観音立像 蓮華座」
2019/10/23
聖林寺の十一面観音立像については、
◇ 白洲正子『十一面観音巡礼』講談社文芸文庫
の口絵の、右側面から撮られた白黒の写真が圧巻である。撮影者は不明である。「単行本」や「愛蔵版」では同じ構図のカラー版が表紙を飾っている。
 闘い終え、満身に創痍を負った勇者が、傷を癒すために深い瞑想に入っているかのように見える。表情は厳しく体躯は剛健そのものである。また、頭上の化仏(けぶつ)は、勇士に捧げられた守護神さながらである。
 2019/10/23 に聖林寺を訪れた。はじめての参拝だった。観音堂には私ひとりしかおらず、何時間かを過ごした。高邁な御姿を畏まり仰ぎ見ていた。繊美な指の表情に目を凝らしていた。
しかし、
◇ 土門拳『古寺を訪ねて 奈良 西ノ京から室生へ』小学館文庫
に掲載されている、
◆「聖林寺 十一面観音立像蓮華座(れんげざ)詳細」
の記憶がすっぽり抜け落ちている。細部ではなく蓮華座全体の記憶がない。
「上を上へと指向し幾重にも重なり合った花弁は、蓮華座を嵩高にしている。肉薄の花弁は、黄葉した葉を寸分のすき間もなく生けたかのような格好である」(112-113頁)
 覚えがないとは重篤である。再起を待って聖林寺へ、そして寺域から神と崇められている三輪山をと思っている。

「三輪山を垣間見る」
2022/11/24
「大和は 国のまほろば たたなづく 青垣山ごもれる 大和し 美し」


「聖林寺全景」

 十一面観音立像は、2022年(08/01 から公開された)に完成した新観音堂」に安置されていた。ぐるりを一周することができ、後ろ姿を見(まみ)えることができるようになった
 今回も長い時間を過ごした。高邁な御姿を畏まり仰ぎ見ていた。繊美な指の表情に目を凝らしていた。また、蓮華座に目を奪われた。
 参拝後 寺庭にある「聖林茶館」さんでコーヒーをいただいた。以下の写真は「聖林茶館」さんの窓ごしに撮ったものである。山腹が光ってみえる山が三輪山である。

「三輪山」

「三輪山は、奈良盆地をめぐる青垣山の中でもひときわ形の整った円錐形の山です。古来、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が鎮まる神の山として信仰され、『古事記』や『日本書紀』には、御諸山(みもろやま)、 美和山、三諸岳(みもろだけ)と記されています。高さ467メートル、周囲 16キロメートル、面積 350ヘクタールのお山は松・杉・檜などの大樹に覆われて、一木一草に至るまで神宿るものとして尊ばれています。特に杉は『万葉集』をはじめ、多くの歌集に詠われ「三輪の神杉」として神聖視され、後世に三輪山の杉葉で造られた杉玉が酒造りのシンボルとして酒屋の軒先に飾られるようになりました。また、山中には神霊が鎮まる岩が点在し、磐座(いわくら)と呼ばれて信仰の対象となっています。神社の古い縁起書には頂上の磐座に大物主大神、中腹の磐座には大己貴神(おおなむちのかみ)、麓の磐座には少彦名神(すくなひこなのかみ)が鎮まると記されています」(「三輪明神 大神神社」
「三輪山登拝」を楽しみにしている


「そして『三輪の神糸』」
2025年 夏
盛夏、食品売り場で、

「三輪の神糸」

に目が留まった。右上には「手延べ素麺」と記されている。
「三輪」,「神糸」の文字に胸がときめいた。
 早速 手に取って見ると、
「製造者 / 株式会社 マル勝高田商店 / 奈良県桜井市大字芝374番地の1」
と記載されていた。
 もう間違いなかった。
 大和の「三輪山」は “神の山” であり、山そのものがご神体である。山中の一木一草、岩根・岩・細石(さいせき)・土塊(つちくれ)にいたるまで、すべてに神が宿っている。
「山が信徒にむかって法を説くはずもなく、論をなすはずもない。三輪山はただ一瞬一瞬の嵐気(らんき)をもって、感ずる人にだけ隠喩(メタフア)をもって示す」(「神 道 (7)」司馬遼太郎『この国のかたち 五』文春文庫 67頁)

 同じ桜井市にある「聖林寺」さんには、「十一面観音立像」が安置されている。

「三輪の地は素麺発祥の地だった」
 素麺発祥は、1200年前、三輪の里の肥沃な土地と三輪山から流れ出る巻向川の清流が、小麦栽培に適することから、大神神社の大神主であった大神朝臣狭井久佐の次男穀主が種を蒔かせ、その小麦を原料に神意に沿って素麺の生産を始めたと伝承されています。
 
また、素麺は保存食としても有効で、当時飢饉に苦しむ多くの民を救ったとも言われております。
 素麺が日本全国へ広まったのは、江戸時代に流行した「お伊勢参り」が関係し、三輪が街道筋にあったことから、お参りする人々によって全国へ伝えられました。
 今でも播州・島原・小豆島・淡路等素麺の主な産地には大神神社の分社があり、この事実からも三輪は”素麺のふるさと”と言われます。(「マル勝高田商店」さんのサイトより)

「三輪の神糸」
 - 細きこと糸のごとく、白きこと雪のごとし -
「三輪の神糸」の由来は、手延素麺の発祥の地、
大和・三輪に残る古い言い伝えから。
神業ともいえる細さと、コシの強さは、
こだわりの「本腰熟成製法」ならでは。
厳選された素材を用い、伝承の手延べの技術と、
蔵熟成で丹念に仕上げました。
(「マル勝高田商店」さんのサイトより)

「三輪で息づく / 神、紡ぐ糸」
「食」にまで眼が向かなかったのは、うかつだった。
「聖林寺参拝」,「三輪山登拝」,そして「てのべ  たかだや 奈良・桜井本店」さんにて、 “神 紡ぐ神糸” を食するのがいい。
 日帰りでは無理だろう。周回するのも面白い。

下記、
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