「浄瑠璃寺(九体寺(くたいじ))」
「浄瑠璃寺と石仏」
土門拳『古寺を訪ねて 斑鳩から奈良へ』小学館文庫
こんな山の中に美しい大伽藍をつくったのは、
どういう考えだったのであろうか。
そして京から奈良から、
野越え山越え浄土信者たちは詣でたのであろうか。
その道のりの遠さは、
彼岸への遠さと似ていたのであろうか。
浄瑠璃寺境内に雨におもたくぬれるさくらは、
ものうく、あまく、人の世のさびしさ、
あわれさをいまさらのように考えさせている。
「浄瑠璃寺(九体寺(くたいじ))」
2022/11/25
開門前に
◆ 井上靖監修,大岡信編『古美術読本 六 仏像』知恵の森文庫(光文社)
◇ 井上靖「浄瑠璃寺の九体仏」
を読み直した。
開門の 9時にあわせて何台かの車が山道を登ってきた。
紅葉がみごとだった。
「創建時のご本尊が薬師仏であった事から、その浄土である浄瑠璃世界が寺名の由来とされている」。
九体阿弥陀如来坐像は2018年7月から5か年計画で2体ずつ修理に出されている。一列に端座した「七体仏」を一望できる場所を探したが見当たらなかった。
障子越しに射すやわらかな光に照らされた、堂内の不思議な静けさのなかに長い間身をしのばせていた。
秋季特別展のため、「秘仏 吉祥天女立像」 を拝観することができたのは幸運だった。「吉祥天女立像」は彩色がよく保存されていて、ふくよかだった。
はじめての拝観時には好悪の別はつくが、仔細はわからない。再訪を約して浄瑠璃寺を後にした。
| 「九体阿弥陀堂」 |