「富嶽遥拝の旅_富士宮巡拝」

  天気予報とにらめっこをし、確信のもとに11時に出立した。しかし、私の確信ほど当てにならないものはなく、承知の上での道行きだった。


2022/05/17
◆「東京庵 豊川店」
「水車天ざる定食」をいただいた。いきなりの腹ごしらえだった。いい気なものだった。
「EXPASA 浜松(上り)」
 さらにデザートに、「ソフトクリーム」をいただいた。
◆「新富士 IC」
 小雨が降りだし、あわてた。
◆「富士山本宮浅間大社」
 一日おいての参拝だった。帰宅したのが悔やまれた。


司馬遼太郎『この国のかたち 五』文春文庫 
「古神道というのは、真水(まみず)のようにすっきりとして平明である。
 教義などはなく、ただその一角を清らかにしておけば、すでにそこに神が在(おわ)す」(28-29頁)
「古神道には、神から現世の利をねだるという現世利益(げんぜりやく)の卑しさはなかった」(11頁)

 以来、「卑しさ」とは手を切った。その「尊さ」,辱(かたじけな)さ」に、ただ参拝するばかりである。

◆「イオンモール富士宮」
◇「倉式珈琲店」
 さわやかな味わいの「東ティモール サンライズマウンテン」をいただく。気づくと寝ていた。見苦しい寝姿をさらした。
「レストラン ステーキ DADA」
「極みステーキ 150g」をいただく。
◆「マクドナルド 富士宮店」
 若者の集まるマクドナルドでの車中泊には、一抹の不安がともなう。コンビニでの車中泊にしても同様である。が、寝てしまえばそれだけのことである。
 今回は、モンベルの
◇「U.L.コンフォートシステムピロー」
「空気を入れやすい逆止弁付き空気注入バルブを備えた枕です。頭部にフィットするデザインで、枕の高さも空気量を調節することで簡単に変えられます。肌当たりの良い起毛地を使用したカバーが付属。カバーは速乾性に優れ、旅先でも容易に洗濯できます」
を忘れた。寝つきが悪く、睡眠の質にも関わる事故だった。
 ちなみに私は、日常生活においても、「U.L.コンフォートシステムピロー」のお世話になっている。変幻自在の、オーダーメイドのマイ枕である。

2022/05/18
◆「富士山本宮浅間大社」
 開門の5時と同時に参拝した。


 
 待望の雄姿だった。
 神田川の流れは、湧水(霊水)である。「富士山本宮浅間大社」を巡るお堀のようだった。
 その後、「道の駅 朝霧高原」に向かった。前回の「本栖湖」往来の際には、素通りした。
「朝霧さわやかパーキング」
「道の駅 朝霧高原」に向かう途中、待避所を拡張したような駐車スペースが設けられていた。「遥拝所」だった。手前は牧草地である。牛舎らしきものは、バス停である。


 富士の高嶺と正対し、2時間ほど寝た。霊峰あっての快眠だった、と信じている。枕云々のことはすっかり忘れていた。霊験あらたか、だった。
◆「道の駅 朝霧高原」
 富士山頂がお分かりいただけるでしょうか。ここしかないという、絶好の位置に碑が建てられていた。



「(半熟の目玉焼き抜きの)富士宮焼きそば」,「あさぎり牛乳」,「あさぎり牛乳ソフト」をいただき、また昼食用に、「手作りの赤飯」を仕入れた。
「あさぎり牛乳」は、まろやかでコクがあり臭みがなかった。日ごろ飲んでいる牛乳に猜疑の念を抱いた。
◆「あさぎり フードパーク」
「道の駅 朝霧高原」に隣接する「あさぎり フードパーク」内を散歩した。
◇「牛乳工房 朝霧乳業」
「あさぎりミルクコーヒー」,「ミルクパン」をいただく。朝霧乳業さんの乳製品を制覇するかのような勢いだった。
◇「お茶工房 富士園」
「手摘み 新茶」は甘く、まろやかだった。
 叔父に、「手摘み 新茶」と「初摘み 新茶」をセットにして送った。その他に、「手摘み 新茶」と「八十八夜摘み茶」を2パック買った。
◇「酒蔵 富士正酒造」
 水のような上品な味わいのお酒なんだろうな、と思いながら眺めていた。断酒中の身にはつらかった。
◆「本栖湖」
 適当な待避所に駐車し、ガードレールを越え、岩肌を慎重に下り、浜に立った。待避所には、「獣道」ならぬ、「釣り人道」がついていることが多く、利用させていただいている。今回もロープが垂れていた。


 浜に座りひとり占めした。本栖湖の水は澄んでいた。
 じっと眺めていると、いろいろなものが見え、また聞こえ、いろいろなことに気づく。
 悠久な時間のなかにあった。
◆「精進湖」
 湖面には番号が振られた浮標(ブイ)が幾つも浮いていた。競技会でも開かれるのだろうか、作業が着々と進められていた。
 手前が大室山」である。


 写真を撮るや、失踪した。
◆「あさぎり温泉 風の湯」
 澄みきった、気持ちのいい温泉だった。
「花の湯」,「風の湯」。「花宮」,「風宮」、伊勢神宮を思った。
◆「道の駅 朝霧高原」
 車中泊。
 駐車場には大型トラックをはじめとして、結構な数の車が駐まっていた。
 夜 目を覚ますと、富士山が顔をのぞかせていた。


2022/05/19
◆「道の駅 朝霧高原」
 さわやかな高原の朝だった。


 洗面をすませ、本栖湖に向かった。
◆「本栖湖」
「この上は有名な千円札の富士山撮影ポイント…」
と書かれた案内板前の駐車場に車を駐めた。




 時間の経過とともに、「逆さ富士」の輪郭がはっきりしてきた。
 霊峰の形姿を目のあたりにした。
 幾人かの行き交う人をよそ目に、威儀を正していた。

 
 雲がかかってきたので、場所を浜に移した。一艇のカヤックが湖面に浮いていた。
◆「道の駅 朝霧高原
 昼食用に、「手作りのおにぎりセット」を仕入れた。
◆「あさぎり フードパーク」
◇「牛乳工房 朝霧乳業」
「あさぎり牛乳ソフト」,「あさぎりバターチキンカレーランチ」をいただく。「あさぎりバターチキンカレーランチ」には、「あさぎりモッツァレラチーズ」が、ふんだんに入っていた。
◆「富士ミルクランド」
「富士ミルクランド牛乳」をいただく。他社の牛乳も美味しかった。

その後、富士宮市内の古社寺(構成遺産)を巡拝した。
◆「人穴富士講遺跡」
 長谷川角行が、浅間大菩薩の御在所とされていた、「人穴(ひとあな)」の洞窟に籠り、1000日間立ち続ける等の荒行をし、庶民から支持を得た。角行は、「富士講」の開祖である。 1646年「人穴」で入定している。
 「人穴浅間神社」の境内地には、「富士講」の関係者などが建立した 239基あまりの碑塔(石造物)が残されている。

「碑塔群」

◆「山宮浅間大社」
 紀元前27年に作られた「遥拝所」である。社殿こそないが、礎が整えられ、神域であることが見てとれた。二本の木を結んだしめ縄が張られていた。
 山宮(やまのみや)に「浅間大神(あさまおおかみ)」を祀り、山霊を鎮め、火山活動の鎮火を祈った。「富士山本宮浅間大社」の起源となった。



◆「村山浅間神社」
 1132年 末代上人(まつだいしょうにん)が富士山に登頂。後に、山頂に「大日寺」、南麓に「興法寺(村山浅間神社)」を創建した。また、末代上人は 5000巻を超える一切経を富士山頂に埋納している。登拝(とはい)数百回に及んだといわれている。「修験道」の中心地となっている。
 明治初年の修験道廃止令、その後の廃仏毀釈、神仏習合により複雑な歴史をたどり、いまにいたっている。
 水垢離場(みずこりば)、護摩壇を備え、毎年 開山祭には。水垢離、また護摩が焚かれている。

「村山浅間神社」
「興法寺」

「静岡県富士山世界遺産センター」
 15時前であり、帰路につくには早かった。「おまけ」の、「静岡県富士山世界遺産センター」観覧のつもりだったが、「おまけ」が化けた。
 外観を見て、「はっ」とした。それが「逆さ富士」だと分かるまでには、時間がかかった。とすれば、水盤の水面(みなも)に映っているのは、「富士山」ということになる。「逆さ富士」が逆さになった格好だった。

以下の画像、また引用は、
より、無断で拝借したものである。


'
「木格子を組み上げた逆円錐状の『逆さ富士』」は、「地域のブランド材『FUJI HINOKI MADE』を使用」し、「ひとつひとつ形の違う8000ピースの部材を組み合わせて作られ」ている、という。
 そして私たちは、「この逆さ富士の中をらせん状に歩き」つつ、「壁面に投影された富士山にまつわる映像を見ながら全長193mのスロープを登ることで」「富士登山を疑似体験する」、という壮大な仕掛けになっている。
「登拝(とはい)する山」,「荒ぶる山」,「聖なる山」,「美しき山」,「育む山」,「受け継ぐ山」の、六つのテーマから構成されている。
 展示物は少なく、ほとんどが映像から成っていた。斬新だった。
 興味のある方は、以下の二つのサイトをご覧になってください。「化け物」です。私の描写の域をはるかに超えています。
 登頂後、「映像シアター」で、「天の巻」「地の巻」「宙(そら)の巻」の、三部作からなる映画を見た。時計を見ると、17時の閉館まじかだった。
◇『静岡県富士山世界遺産センター 公式ハンドブック』
を急いで購入した。
 およそ2時間 館内で過ごした。駐車場には、私の車しかなかった。
◇「静岡県富士山世界遺産センター」
のリーフレットには、
「まだ、知らない富士山がある。」
「富士山への『畏敬』をカタチに。」
の言葉がみられる。
◆「富士山本宮浅間大社」


 御本殿の前に立つと、突然 旅愁に襲われ、戸惑った。
◆「志ほ川 本店」
「富士山本宮浅間大社」から徒歩で10分たらずのところにある老舗の蕎麦屋である。
「ざると鉄火丼のセット」をいただいた。蕎麦には甘味があった。鉄火丼が美味しく、蕎麦は二の次だった。
◆「イオンモール富士宮」
◇「倉式珈琲店」
さんで、
◇『静岡県富士山世界遺産センター 公式ハンドブック』
と戯れようか、それとも帰路につこうか迷ったが、不慣れな道は危険で、明るい時間帯に「新東名高速道路」にのりたかった。
◆「新富士 IC」
◆「EXPASA 清水(下り)」
 お約束の
「EXPASA 清水」さんで、「ソフトアイス」をいただく。
◆「EXPASA 浜名湖(下り)」
「富士山サイダー」を飲む。「創業明治23年 日本最初のサイダー」「YORO Cider 養老サイダー」を飲んでからというもの、サイダーをよく口にするようになった。

2022/05/20
 日付が変わって 0:30 に帰宅した。
 三日目の 2022/05/19 は特異日だった。振り仰げばそこに不二の峰(ね)があり、振り向けば、また振り返ればそこには不尽の高嶺があった。不死に見護られているようにも、のぞき見されているようにも感じたが、ついには睦まじく笑った。
 富士の沃野は広い。富嶽遥拝の旅を続けます。