「富嶽遥拝の旅_小夜の中山_高嶺の花」
2022/05/08
寝つけずに、時計を見やると 3時をまわっていた。いまから寝ると、起きるのは昼ちかくになるだろうと思うと、やりきれなかった。GW の最終日、混雑はないものと信じ、「小夜の中山峠」に向かった。5度目の「小夜の中山」詣でだった。晴れやかな春の高嶺を遥拝したかった。
◆「EXPASA 浜名湖(上り)」
北東の空が朱に染まっていた。空気が澄んでいたのだろう、対岸の舘山寺温泉のホテル街が、いつになくよく見えた。陽は湖面から昇ることはなかった。寒い夜明けの時間を過ごした。
◆「道の駅 掛川」
8時前だった。農家の方たちが丹精こめて作った作物を、忙しく店内に並べる姿が見られた。
「お茶処 東山」さんで、初摘みの「掛川茶」を求めようと思ったが、開店前だった。
◆「小夜の中山」
◆「小夜の中山」
霊峰の姿はなかった。所詮 私にはすぎた、高嶺の花だった。そっと合掌した。
初老の夫婦連れがやって来た。二番茶を摘む支度である。二番茶を摘む際に、新緑の葉に古参の葉が紛れないように、のびた葉を刈り取っていた。一番茶は、八十八夜の前日 05/02 に摘んだそうである。一番茶、二番茶、最番茶(番茶)、最番茶とは若葉にひと冬を越した葉が混ざったお茶をいうそうである。
「今日は見えないよ。光化学スモッグがかかってるし、風もない。あきらめて帰った方がいいよ」
とそっけなくいわれた。私は光化学スモッグを春霞と勘違いしていたのだろうか。あり得る話だけに悲しかった。今ごろ「不二の山」は咳き込んでいるのだろうか。風は「不二」に向かって吹く、北西の風が吹かないと見えないそうである。
峠の茶屋の「扇屋」さんの開店前に、浮世絵美術館「夢灯」の開館を待たずして、「葛木 北の丸」さんに寄ることもなく、9時を前にして踵を返した。
「EXPASA 浜名湖」で寝むことばかりを思っていた。
◆「EXPASA 浜名湖(下り)」
ひと眠りする前に、「浜太郎」さんの浜松餃子をいただいた。美味しく、タレなしでほうばった。
叔母にお土産を買った。どこのサービスエリアも、当地のまた他所の地の、土産物がところ狭しと並ぶ、土産物のデパートである。
帰路、叔母にお土産を届け、夕方帰宅した。お年寄りの話は長く、すっかり餌食なった格好だったが、飛んで火に入ることもときには必要である。
次回は、「小夜の中山」経由で、全国に1300社ある「浅間神社」の総本社である「 富士山本宮浅間大社」を目指す予定である。その後、「壮大な雨漏り(白糸ノ滝)」を見物し、「富士宮焼きそば」をいただき、近場の温泉につかる。その際には、「山笑う」ことを願っている。