Tweet「ヌスビトハギ」

 ヌスビトハギは、可憐な花を咲かせる。
 そしていち早く、我が家の庭に秋の訪れを告げる。
 が、花期を終え結実すると、 “ひっつき虫”になり、どこにともなくひっつき、たいへんな思いをすることになる。
 一昨日と昨日の夕方、花期を迎える前の、ヌスビトハギを刈り取った。花を愛で、結実する前に刈るのが風流を解すというものだが、私にはその器用さがない。 全身 “ひっつき虫”に取りつかれた、自分の姿を想像するのはみじめである。

「和名は、果実が泥棒の足跡に似ると言う。奇妙に聞こえるが、牧野富太郎によると、古来の泥棒は足音を立てないように、足裏の外側だけを地面に着けて歩いたとのことで、その時の足跡に似ている由。これは牧野富太郎による説」(ウィキペディア)
 泥棒の抜き足差し足、ということか。

「萩(はぎ)の花くれぐれ迄もありつるが月出でて見るになきがはかなさ」
 実朝の歌は美しい。
 断章が続きます。